目次
防護構造物を越えて届く範囲(4.2.2項)の安全距離と重要ルール
ジュンイチロウ自動計算ツールです
機械の危険源から作業者を守る基本は「隔離」ですが、単に柵(防護構造物)を設ければ良いわけではありません。作業者が「柵の上から手を伸ばして届かないか?」を評価する必要があります。
今回は、ISO 13857の「4.2.2 防護構造物を越えての到達」について、設計時やリスクアセスメント時に押さえておくべきポイントを要約します。
安全距離を決める3つのパラメータ (a, b, c)
規格では、以下の3つの寸法の関係性から安全を評価します。
- a: 危険区域の高さ
- b: 防護構造物の高さ (柵などの高さ )
- c: 危険区域までの水平安全距離


リスクレベルに応じた2つの表を使い分ける
作業者が危険区域に到達してしまった場合の「傷害の程度(リスク)」に応じて、参照する表が異なります。
- 低リスク (Table 1): 摩擦や軽い打撲など、傷害の程度が低い(可逆的)と見積もられる場合に使用します。
- 高リスク (Table 2): 切断や巻き込まれなど、重傷を負う可能性のある高いリスク(不可逆的)の場合に使用します。
ISO 13857 水平安全距離 (c) 計算ツール
⚠️ 絶対に守るべき「補間禁止」の原則
ここが現場で最も間違いやすいポイントです。
ISO 13857では、表の数値の補間(中間値の比例計算など)を行うことを明確に禁止しています。
もし、実際の機械の寸法(a, b, c)が表に記載されている2つの数値の間になった場合は、勝手に中間の数値を計算してはいけません。必ず以下のいずれかの「より安全な側」の対策を採用する必要があります 。
- より大きな安全距離(c)を確保する
- より高い防護構造物(b)に変更する
- 危険区域の高さ(a)を変更する(高くする、または低くする)
「少しなら計算で間をとってもいいだろう」という独自解釈は、規格不適合となるだけでなく、重大な事故につながる恐れがあるため厳禁です。
