リスクアセスメント

【ISO/DIS14119:2021が発行されたのでISO14119:2013からの変更点を解説】FDIS後速やかに対応できるようにtype5インターロック機器とは無効化防止対策とは具体例を解説

この記事はISO/DIS 14119:2021 の資料に基づきます。FDIS にバージョンアップ後さらに内容が変更なるかもしれません。

ISO/DIS 14119:2021 とは

「ISO/DIS 14119:2021 とは」でだいじなところ
  • EN ISO 14119:2013 は機械指令 2006/42/EC の整合規格です
  • ISO 14119:2013 は近い将来アップデートされ、現在はドラフト版 ISO/DIS 14119:2021 が発行されています
  • ISO/DIS 14119:2021 では主に5つの内容がアップデートされます

ISO/DIS 14119:2021 とは

機械指令 2006/42/EC 整合規格 EN ISO 14119:2013

2021年時点では ISO 14119:2013 がISOから出版されており、 EN ISO 14119:2013 が機械指令 2006/42/EC の整合規格でB (B-2) 規格に分類されます。

EU Official Journal はこちらから参照できます。

インターロッキングガードがある機械でCEマーク対策をする場合は EN ISO 14119:2013 への適合が必要です
機械指令 2006/42/EC は近い将来「Machinery Regulation 機械規則」へ変わります。機械規則が発行された後30ヶ月で機械指令は廃止されます

機械規則についての解説はこちらの記事を参照してください。

 

機械規則(Machinery Regulation)とは。機械指令(Machinery Directive)との違い。機械規則発行後30ヶ月で困らないために今からどう対策すればいいのかを解説。機械指令が機械規則に変わります。ナゼ変わるのか、ナニが変わるのか、今から内容を把握して対策しておく必要があります。機械規則発足後、機械指令は30ヶ月で廃止されます。この記事は現役リスクアセスメントエンジニアが、CE マーキング対策する企業や、輸出担当者に向けてわかりやすく解説します。...

 

ISO 14119:2013 と ISO/DIS 14119:2021 の関係

ISO 14119:2013 は近いうちに内容のアップデートをするために改訂作業が計画されて、現在はISO/DIS 14119:2021 というDIS ドラフトが開発されています。

DIS 2021 年バージョンのステータスは 2021年11月3日の時点で”Under Development” となっています。

ISO 14119 とは下記の題名がついており、主に、機械の設計者に対して、ガードに関連するインターロック装置の設計や選択方法に関するガイダンスを提供するために作成されています。

ISO 14119:2013 は JIS B 9710:2019 と整合化され日本語訳されています。

ISO 14119:2013

Safety of machinery — Interlocking devices associated with guards — Principles for design and selection

JIS B 9710:2019

機械類の安全性−ガードと共同するインターロック装置−設計及び選択のための原則

DIS とは

ISO 規格の開発において重要な段階は、DIS(Draft International Standard)の段階です。

DIS は、作業部会が作成し技術委員会が承認した作業の最終結果です。DIS 段階の文書は技術的に95% 以上の精度を持っています。

DIS は5ヶ月間、投票権を持つ89カ国のISOメンバーによる承認投票にかけられます。この投票の結果、変更の提案があった場合は、技術委員会で検討され、採用されるか否かが決定されます。

FDIS とは

DIS で投票がされた後、新たに修正されたDISは、FDIS(Final Draft International Standard)として投票国に送られ、最終的な承認投票(賛成か反対か)が行われます。

FDIS が承認されると、ISO は自動的にその文書をFDIS 承認後60日以内に正式なISO 規格として発行するよう指示します。

ISO/DIS 14119:2021 で何が変わるのか?

ISO/DIS 14119:2021 は現時点て有効な ISO 14119:2013 と比べて主に下記5つの内容がアップデート(改訂)されています。

  • ISO/TS 19837「機械の安全性-トラップ式キーインターロック装置 – 設計および選定の原則」が、新たに Annex L として統合され、「type 5インターロック装置 – キーインターロック装置に関する具体的な要求事項」が盛り込まれた
  • 「トラップ式キーインターロッキングシステム」を「type 5インターロッキングシステム」と定義する
  • ISO 14119:2013 表4 は改良され、「インターロック装置のタイプに応じて、予見可能な無効化の動機が存在し続ける場合の追加措置」と改称された
  • 故障除外 (Fault exclusion) の項目が、type 別に規定され細分化され、ISO 14119:2013 よりも厳しくなった
  • ISO/TR 24119「機械類の安全性-潜在的自由接点を持つガードに関連するインターロック装置のフォールトマスキング直列接続の評価」を新たに Annex K に統合された

type 5 インターロック機器とは

「type 5 機器とは」でだいじなところ
  • 新しく追加された type 5 インターロック機器とは「トラップキー式インターロック機器」のこと
  • インターロック機器分類はtype 1 からtype 4 までの内容は ISO 14119:2013 と変わらない
  • type 1 から type 4 の違いを理解しておくこと

インターロック機器とは

この記事に関係する「インターロック機器」と「インターロック付きガード」について、ISO 12100 とISO 14119 において定義があります。

3.28.1

インターロック装置(interlocking device),インターロック(interlock)

特定の条件(一般的にはガードが閉じていない場合)の下で危険な機械機能の運転を防ぐことを目的とした機械装置,電気装置又はその他の装置。

出典 JIS C 9700:2013

 

3.27.4

インターロック付きガード(interlocking guard)

機械の制御システムと一緒に次のように機能するインターロック装置が付加されたガード。

− ガードによって“覆われた”危険な機械機能は,ガードが閉じるまで運転できない。

− 危険な機械機能の運転中にガードが開くと,停止指令が発生する。

− ガードが閉じると,ガードによって“覆われた”危険な機械機能は運転することができる。ガードが閉じたこと自体によって危険な機械機能が起動しない

注記 詳細は,JIS B 9710を参照。

出典 JIS C 9700:2013

インターロッキングガードの例

インターロッキングガードが定位置に閉じられ無い限りは、機械が起動しない

安全化対策をインタロッキングガードでした場合。安全スイッチ type 4 code= high を用いた対策安全化対策をインタロッキングガードでした場合。安全スイッチ type 4 code= high を用いた対策

インターロック機器 分類 概要

インターロック機器 分類

type 5 または type 1 から4 インタロック機器についてはISO/DIS 14119:2021 で下記のように定義されています。

インターロック機器の分類と代表的な機器 type1
type ISO 14119 定義 インターロック機器の例
type 1 コード化されていない 
アクチュエーターによる機械的に作動するポジションスイッチを備えたインターロック装置
ヒンジ作動式インターロック装置
type 1 安全スイッチのイメージ コード化なしtype 1 安全スイッチのイメージ コード化なし

 

インターロック機器の分類と代表的な機器 type2
type ISO 14119 定義 インターロック機器の例
type 2  コード化された
アクチュエーターによる機械的に作動するポジションスイッチを備えたインターロック装置
トング作動式ポジションスイッチ
タイプ2 安全スイッチのイメージ コード化レベル Lowタイプ2 安全スイッチのイメージ コード化レベル Low
ジュンイチロウ
ジュンイチロウ
パット見ではtype 2 トング式インターロック機器はコード化されていないように見えますが・・・
中の人
中の人
type 2 トング式インターロック機器はトング自身の姿や形で一応コード化されていることになります。ただしコード化レベルは低です
インターロック機器の分類と代表的な機器 type3
type ISO 14119 定義 インターロック機器の例
type 3 コード化されていない
アクチュエーターによる非接触式のポジションスイッチを備えたインターロック装置
近接スイッチ
タイプ3 安全スイッチのイメージ コード化なしタイプ3 安全スイッチのイメージ コード化なし
中の人
中の人
type 3 インターロック機器は昔はありましたけど、使い勝手が悪く最近は見かけなくなりました
インターロック機器の分類と代表的な機器 type4
type 定義 インターロック機器の例
type 4 コード化された
アクチュエーターによる非接触式のポジションスイッチを備えたインターロック装置
RF-ID タグ作動式ポジションスイッチ
安全スイッチ、type 4 コード化レベル High安全スイッチ、type 4 コード化レベル High

 

インターロック機器の分類と代表的な機器 type5
type 定義 インターロック機器の例
type 5

(ISO/TS 19837)

トラップキー式インターロック機器

トラップキーインターロック装置の一部で、所定のシステムにおいて1つ以上のキーをトラップまたはリリースすることで機能を果たす装置

ドアロック、
キー操作スイッチ、
キーエクスチェンジユニット
type 5 トラップキーのイメージtype 5 トラップキーのイメージ
中の人
中の人
トラップキーのキー側でキー自身の姿や形でコード化されている場合と、キーにRF-ID タグを埋め込む場合があります

インターロック機器 概要

下記に定義されたインターロック機器のタイプとその作動原理とアクチュエーターを示します。

インターロック機器のタイプとその作動原理の表
作動原理の例 アクチュエーターの例 ガードの監視 タイプ
機械式 物理的接触/力 コード化
なし
回転カム 直接的 type 1
リニアカム
ヒンジ
コード化
あり
トング 直接的 type 2
非接触 誘導式 コード化
なし
適切な磁性体 直接的 type 3
磁気式 マグネット
ソレノイド
静電容量式 適切なもの
超音波 適切なもの
光学式 適切なもの
磁気式 コード化
あり
コード化マグネット 直接的 type 4
RF-ID コード化RF-IDタグ
光学式 光学式コード化タグ
機械式(トラップキー) コード化
あり
間接的と直接的 type 5

 

type 5 のシンボルと略語

type 5 インターロック機器には新たにシンボルと略語が追加されました。

type 5 のシンボルと略語の対応表
シンボル 機能
1
ISO/DIS 14119 シンボル キーISO/DIS 14119 シンボル キー
キー
2
ISO/DIS 14119 シンボル キーパスISO/DIS 14119 シンボル キーパス
キーパス
3
ISO/DIS 14119 シンボル キートラップISO/DIS 14119 シンボル キートラップ
キートラップ
4
ISO/14119 シンボル キーリリース可能ISO/14119 シンボル キーリリース可能
キーリリース可能
5
ISO/DIS 14119 シンボル キー挿入と取り外し可能ISO/DIS 14119 シンボル キー挿入と取り外し可能
キー挿入と取り外し可能
6
ISO/DIS 14119 シンボル キー取り外しISO/DIS 14119 シンボル キー取り外し
キー取り外し
7
ISO/DIS 14119 シンボル アクチュエーターロックISO/DIS 14119 シンボル アクチュエーターロック
アクチュエーターロック
8
アクチュエーターアンロックアクチュエーターアンロック
アクチュエーターアンロック
9
ISO/DIS 14119 シンボル アクチュエーター取り外しISO/DIS 14119 シンボル アクチュエーター取り外し
アクチュエーター取り外し
10
ISO/DIS 14119 シンボル タイムディレイ機能ISO/DIS 14119 シンボル タイムディレイ機能
タイムディレイ機能

type 5 インターロック機器の取り扱い

type 5 機器は 2つ以上の異なるコード化されたキーで操作することができ、また、 1つのキーで2つ以上の異なるコード化されたtype 5 機器の操作をできます。

type 5 のインターロック機器を使用する場合は、取り付け場所での汚染度を考慮する必要があります。

type 5 のインターロック機器は、適切な対策(防塵カバーなど)を適用しない限り、粒子、切りくず、ほこりの侵入を防ぐことができないアプリケーションには不適切な場合があります

トラップされたキーのインターロックシステムごとに、キーの差し替えプランを設計することが必要です。

キー差し替えのプランでは、システムの動作を詳細に説明することが必要で、キーコーディングは安全関連の仕様に基づいて確立することが必要です
type 5 トラップキーを用いたインターロックのシステムの例type 5 トラップキーを用いたインターロックのシステムの例

無効化の可能性を最小限にする追加措置

「無効化の可能性を最小限にする追加措置」でだいじなところ
  • ISO/DIS 14119:2021 では無効化防止対策の例がアップデートされた
  • ISO/DIS 14119:2021 で無効化防止対策としてみなされない例が追加された
  • type 5 インターロック機器にはキーコーディングが必要

新しくなった無効化の可能性を最小限にする追加措置

インターロック装置のタイプに応じて「予見可能な無効化の動機が存在し続ける場合の追加措置」が下記の表のように改訂されました。

新しくなった予見可能な無効化の動機が存在し続ける場合の追加措置の表
原則と方策 type 1 type 3 type 2
コード化
type 4
コード化
type 5
コード化
非ヒンジ式 ヒンジ式 低/中 低/中 低/中
追加のインターロック機器 and 確かさのチェック R R R R X
届かないところに設置 X X X X
物理的な妨害 X
隠れたところに設置
状態監視 or サイクルテスト X
アクチュエーターの非脱着式固定方法 M M M M M M
ポジションスイッチの非脱着式固定方法 R R R R R R
スイッチ and アクチュエーターの非脱着式固定方法 X M

 

  • X 少なくともこれらの方策のうちの一つを適用
  • M 必須
  • R 推奨
  • type 5 コード化レベル「中」のアクチュエーターは、重複したコードのアクチュエータが容易に入手できない場合には、コード化レベル「高」として扱うことができます
  • トラップキーインターロック機器には適用されません
  • コード化レベル「中」のアクチュエータが重複して設置されている場合は、本表ではコード化レベル「低」のアクチュエータとして扱います
  • type 5 のインターロッキングシステムでは、アクセスロックとボルトロックにのみ適用されます
  • 表はインターロック装置の無効化に対する適切な措置を選択するために使用されることを意図しています。リスクアセスメントに応じて、表示されたもののうち複数のものを適用することが必要かもしれません。

コード化レベルとは

ISO 14119 は3つに分類されたコード化(暗号)レベルを採用しています。

コード化されたアクチュエーターは特定のポジションスイッチを作動させるために特別に設計された(例、形状など)アクチュエーターを意味します。​

コード化レベル分類表
コード化レベル コード数
Low 低 1 〜 9
Medium 中 10 〜 1000
High 高 1000 以上
ジュンイチロウ
ジュンイチロウ
「コード化レベル Medium 中」はあまり見かけないのですが・・・
中の人
中の人
そうですね。「コード化レベル Medium 中」は現実的には需要がないので、ほぼほぼ見かけない無いです。コード化レベルには3つの分類の概念があるということだけ知っておいてください

無効化の防止策の具体例

ISO 14119:2013 で無効化の防止策の具体例

従来のISO 14119:2013 では無効化の防止策の具体例として、取り外し不可能な固定具として下記が明示されていましたが、ISO/DIS 14119:2021 ではこの内容が大きく変わりました。

ISO 14119:2013 無効化防止策の例

  • 溶接
  • 接着
  • 一方方向ネジ
  • リベット

例 無効化防止策 一方向ネジ

type 4 コード化レベルhigh インターロック機器に一方向ネジを使った、無効化防止対策の例の写真type 4 コード化レベルhigh インターロック機器に一方向ネジを使った、無効化防止対策の例の写真

ISO/DIS 14119:2021 で無効化防止対策の例

新にアップデートされた取り外し不可能な固定具の例は次のとおりです

ISO/DIS 14119:2021 無効化防止対策の例

  • 溶接
  • ネジ山の接着(少なくとも熱を取り除く必要があるほど強力)
  • 一方向ネジ
  • リベット留め
  • ネジのソケットの溝を磨耗させて、ネジが外れないようにする
  • ボルトとネジの開口部を(プラスチック、樹脂、または金属ボールで)埋める

ISO/DIS 14119:2021 で無効化防止対策としてみなされない例

ISO 14119:2013 ではグレーゾーンでみなしOKの状態でしたが、以下の例はISO/DIS 14119:2021 においては取り外し不可能な固定具とはみなされません。

六角穴付きボルトにピンがついたボルト(セキュリティネジと呼ばれることもあります)

  • 取り付け後にピンが曲がってしまった場合を除き、工具が容易に入手できるため

今後 ISO/DIS 14119:2021 で無効化防止対策としてみなされない例

type 3 インターロック機器のアクチュエーターにいじり防止ネジを取り付けた写真type 3 インターロック機器のアクチュエーターにいじり防止ネジを取り付けた写真

 

type 2 インターロック機器のアクチュエーターにいじり防止ネジを取り付けた写真type 2 インターロック機器のアクチュエーターにいじり防止ネジを取り付けた写真
中の人
中の人
新しいISO 14119 になったら、ネジ頭が六角であっても、花形であってもNGでしょうね

ISO 14119:2013 で許されないアクチュエーターの取り付け方法

type 2 インターロック機器のアクチュエーターが簡単に取り外しできるネジで取り付けてある写真type 2 インターロック機器のアクチュエーターが簡単に取り外しできるネジで取り付けてある写真
中の人
中の人
実際に上記のインターロック機器は、誰でも手の届くところに設置され、特段隠されているわけでもありません

簡単に取り外し可能なブロッキング物質の使用

  • 例  キャップ、ワックス、改ざん防止ラベル

無効化防止対策としてキャップを用いた例

現在、ISO 14119:2013 を適応して無効化防止対策としてキャップを用いる方法は有効ですが、ISO/DIS 14119:2021 においては無効化防止対策としては認められません。

しかし、無効化防止対策としてキャップを用いる方法は簡単で便利なのでスイッチの据え付け工数や一方向ネジの採用を大幅に削減できるので、現在時点ではとても有効な手段です。

安全スイッチ type 4, コード化レベル Low とその無効化防止対策のキャップの写真p安全スイッチ type 4, コード化レベル Low とその無効化防止対策のキャップの写真

 

 

type4 コード化レベル Low 低 RF-ID式 スイッチへ無効化防止対策の例
外観 無効化防止対策のキャップをつける手順
1
RF-ID式安全スイッチ, type4 コード化レベル Low, 無効化防止対策前の写真RF-ID式安全スイッチ, type4 コード化レベル Low, 無効化防止対策前の写真
無効化防止対策のキャップをする前

例として用いる安全スイッチは
「type4 コード化レベル Low 低 RF-ID式」なのでアクチュエーターの非脱着式固定方法が要求されます

何も対策が無い状態だと工具を使えば簡単にアクチュエーター取り付けネジにアクセスすることができ、そのネジを外すことができます

2
RF-ID式安全スイッチ, type4 コード化レベル Low と無効化防止対策用のキャップの写真RF-ID式安全スイッチ, type4 コード化レベル Low と無効化防止対策用のキャップの写真
無効化防止対策のキャップ

誰でも指で簡単にキャップできます

3
F-ID式安全スイッチ, type4 コード化レベル Low に無効化防止対策用のキャップを取り付けた写真F-ID式安全スイッチ, type4 コード化レベル Low に無効化防止対策用のキャップを取り付けた写真
無効化防止対策のキャップを取り付けたところ

無効化防止対策のキャップを取り付けると、ボルト取り付け穴に隙間なくしっかり埋まっています

4
F-ID式安全スイッチ, type4 コード化レベル Low に無効化防止対策用のキャップを取り付けた全体の写真F-ID式安全スイッチ, type4 コード化レベル Low に無効化防止対策用のキャップを取り付けた全体の写真
キャップを用いた無効化防止対策

キャップを壊さない限り、指や工具で簡単に着脱できない構造になっています

ISO/DIS 14119:2021 では、便利なキャップを用いたようなインターロックの無効化防止対策が使えなくなります

 

type 5 機器の無効化の可能性を最小限に抑えるための追加の対策

type 5 機器はキーを用いたインターロックシステムのため、キー自体にコード化が求められます。type 5 のコード化は、オペレーターがキーを自由に用いて違うシステムのインターロックを無効化(解除)を防止することを意図しています。

キーコーディング

type 5 機器にはキーコーディングが必要です。

キーコーディングとは2つ以上の機器が意図せずに同じキーを共有することを防ぎ、それが危険をもたらすことがないようにすることを目的としています。

type 5 キー を用いたコーディングの例 特定のマシンをシャットダウンして安全にアクセスできるようにするキーは、他のマシンへのアクセスや制御を許可してはならないtype 5 キー を用いたコーディングの例 (特定のマシンをシャットダウンして安全にアクセスできるようにするキーは、他のマシンへのアクセスや制御を許可してはならない)

キーの保持力

差し込んだ状態のType 5 機器からキーが容易に取り外せないようにするため、250 N未満の力ではType 5 機器からキーを取り外すことができないようにしなければなりません。

キー自体を含む、キーを固定するためのすべての部品は、キーにかかる力は少なくとも 5Nm 以上耐えられなければなりません。

さらに、5Nm 以上の値では、キーが装置から折れても安全機能が失われることがないようにしなければなりません。

キーの複製

type 5 インターロック機器は、オリジナルのキーを製造者以外が容易に複製できないように設計されていなければなりません(例えば、ハンドツールや錠前屋を使って)

スイッチ断路器

スイッチ断路器のロックへの接続は、形状によって行うものとする。ロックとスイッチ断路器の間の力の伝達は直接回路動作機構によるものとします。

接続部と伝達部は、ロータリーキーを使用した場合は 5Nm のトルクに、リニアキーを使用した場合は 250N の引張力にさらされても、損傷することなくそれらの力に耐えられること。

スイッチ断路器は、作動シャフトとそのロックへの取り付け部が中心軸上にあり、シャフトが曲げ荷重にさらされないような方法で接続しなければなりません。作動軸のすべての接続部は、自己緩みに対して保護されていなければなりません。

よくあるトラップキー式インターロックシステムの間違い

トング式インターロック機器を用いて、トラップキーインターロックシステムを構築する場合があります。ISO/DIS 14119:2021 では、トラップキーを用いたインターロックシステムを設計する場合はtype 5 に該当します。

写真のようなトング式インターロックスイッチ type 2 コード化レベル Low 低のスイッチを用いた方法は ISO/DIS 14119:2021 type 5 インターロック機器として使えません。

NG (不適合)なポイント

  • キーコーディングされていない(複製できる・使い回しができる)
  • キー保持力がない(容易に取り外しができる)
  • トングが普通のネジで固定されている(容易に取り外しができる)
悪い例 トラップキー式インターロックシステムをtype 2 コード化レベル low 低 スイッチを用いてトラップキーの運用と設計を根本から間違えている悪い例 トラップキー式インターロックシステムをtype 2 コード化レベル low 低 スイッチを用いてトラップキーの運用と設計を根本から間違えている

 

ここまでお読みくださいましてありがとうございました。

次回は 「ISO/DIS 14119:2021 フォールトマスキング・故障の除外の解説」にすすみます。

JIS ハンドブック 72 機械安全JIS ハンドブック 72 機械安全

機械指令の重要な整合規格はJIS 化されています。JIS 72 機械安全ハンドブックは初学者からベテラン技術者まで使うことができる良書です。機械安全担当者は必携です。

 

ABOUT ME
ジュンイチロウ
現役のリスクアセスメントエンジニア。 現在はドイツの安全部品メーカーで機械安全コンサルタントをしています。第三者認証機関で審査官の経験、機械安全トレーニング、セミナー講師の経験から、リスクアセスメント、CE 対策、NRTL 対策を解説します。 Certified Machinery Safety Experts, CMSE, TUVNORD